腰痛に効く「鍼」!その効果の持続時間は?
腰痛は国民病とも言われ、4人に1人が経験しているとされています。 二足歩行の人間にとって代表的な症状にも関わらず、多くの病院やクリニックでは痛み止めの処方や湿布の処置だけにとどまっているのが現状です。腰痛にも様々な原因があり、それにあった治療をすることで痛みの軽快に向かっていきます。 今あなたを悩ませている腰痛は筋肉的なものなのか、それとも骨の歪みによるものなのか、これを機にしっかりと自分自身の体と向き合ってみてください。
腰痛は鍼治療で治る?
鍼灸治療は、米国内科学会の腰痛治療に関するガイドラインでも推奨されているほど治療効果が期待できます。
鍼灸が推奨される理由としては、身体のバランスを整え、症状からの回復機能を自身の力で高めていくという独自治療法が注目されているからです。
また、薬を使わない治療の一つとして国際的にも注目が集まる治療手段です。
鍼治療の効果
腰痛が起きるメカニズム
腰痛が起きる原因は様々であるが、腰痛のうち原因が特定できるものはわずか15%程度といわれています。
代表的なものは神経の障害や骨の変性によって引き起こされるものがあります。しかし腰痛を抱えている人々のほとんどが生活習慣、不安やストレス、不眠などの心の状態が影響している事が多いです。
その中でも生活習慣が原因となり筋肉を酷使してしまっているケースが一番です。座りっぱなしや立ちっぱなしといった長時間の同じ姿勢は筋肉が緊張し、疲労状態になってしまいます。また負担のかかる姿勢をとり続けた結果、筋肉が過疲労を起こし、腰の痛みへとつながっていくのです。
腰痛の原因は筋肉の使いすぎに限らず、腰まわりの筋肉である大腰筋や大臀筋などの衰えにより腰椎に負担がかかり痛みを引き起こすこともあります。
腰痛の原因は骨や神経、筋肉とは限らず尿路結石、子宮がん、腎盂腎炎、膵臓がんなどといった内臓系の疾患によっても引き起こされるため注意が必要です。
鍼治療の影響
血流の改善
鍼を刺すことで身体は異物が体内に侵入してきたと捉える。異物が体内に侵入するとそれを排除しようと刺された部分に一気に血液が集中し、血流循環が高まります。血液には新鮮な酸素やビタミンなどの栄養が豊富に含まれており、それらが筋肉に行き渡ることで治癒へと導いてくれます。
疲労した筋肉の治癒
鍼で筋肉に「傷」をつけると自然治癒力が働き、傷を治そうとします。自然治癒力とは人が生まれつき持っている能力の一つで身体が自分の力で傷を癒そうとするものです。
これを利用して意図的に鍼で刺激を与えることで筋肉の修復を促すことができます。
鍼灸治療は腰のみならず、肩や膝、全身の筋肉へアプローチすることが可能なため様々な疾患に対応できることもメリットとして挙げられます。
鍼灸で使われる鍼
当サロンでは髪の毛よりも細い直径16mm程度の鍼を使用しています。痛みには個人差がありますが感じない人は刺さっているのもわからない程度で、痛みがあっても輪ゴムで弾かれる程度のものであるため、初心者の方でも安心して治療を受けることができます。また、痛みを出さないためのテクニックもあり、鍼灸師の腕によっても左右されます。
効果が続く期間は?
筋肉の緊張やコリの状態によって効果の持続には個人差はありますが、長くて一ヶ月ほどです。
これは筋肉の修復にかかる時間が約一ヶ月のためです。継続的な腰痛の改善を見込むためには、筋肉が元の状態に戻ってしまう前に、もう一度治療をしてあげる必要があります。頻度的には最初のほうは2〜3週間に一度の来院をオススメしています。
当サロンでは、カウンセリングの際にも毎回理想の頻度をお伝えしているため、一緒に日程を調整しながら通うこともできます。
実際の鍼治療の流れ
カウンセリング
初診の方は始めにカルテと同意書を記入してもらいます。そして記入して頂いたカルテをもとに具体的な症状や生活習慣をお聴きします。症状は人によって様々なため当サロンでは、カウンセリングの時間を大切にし、何が原因で症状が引き起こされているのかを徹底的に探っていきます。原因によって治療方針も異なってくるため、一人一人にあったオーダメイド治療を行います。
治療開始
腰痛の治療は腰を中心に鍼を刺していくが、それだけではなかなか症状の改善が見込めない場合がありますが、当サロンでは、局所の治療と同時に身体全体の状態を把握し、東洋医学の視点からも治療を行い遠隔の手や足にも鍼を刺していきます。
生活習慣の指導
治療後のアフターカウンセリングの際は今回の状態と治療内容をお客様と共有し、自分の状態をしっかり把握してもらいます。そしてさらなる症状の改善や効果の持続を図るため、自宅でのセルフケアも伝えていきます。このセルフケアが生活習慣の一部に加わることで予防にも繋がるため行う時間や回数も具体的に伝えるようにしています。
腰痛治療に関する疑問
妊娠・妊娠中でも治療は受けられる?
妊娠・妊娠中でも問題なく鍼灸治療は受けることが可能です。鍼灸は腰痛や肩こり、足のむくみ、こむら返り、冷え、つわりといった、妊婦さんの体におこる様々なトラブルの解消に効果があります。また、鍼灸は副交感神経の機能を高めるため、自立神経やホルモンバランスがよくなり、ストレスを軽減し、精神的にも肉体的にもリラックスした状態に導くことができます。
治療後に腰痛が悪化したりはしないでしょうか?
基本的に症状が悪化することは少ないですが、鍼灸の経験が少ない方や敏感な方は、急激な血流循環改善によって治療後に以下の副作用が生じる場合がああります。
- ・目眩
- ・ふらつき
- ・疲労感
- ・倦怠感
- ・眠気
など
ほとんどの副作用はしばらくすると回復をしますが、もし心配がある場合は、治療院に相談をしてみてください。また症状が重い腰痛は一回の治療ではなかなか改善が見られないことがありますが、定期的な治療が必要となってきます。
保険は適用される?
当サロンでは保険は適応されませんが、一般的には一部の症状のみ保険が適応となります。
保険が適応される疾患は以下のものです。
- ・神経痛
- ・リウマチ
- ・頚腕症候群
- ・五十肩
- ・腰痛症
- ・頚椎捻挫後遺症
腰痛治療でやってはいけない行動
腰痛の原因は腹筋背筋の筋力不足と言われることがありますが症状が強い場合は、腹筋背筋運動は控えたほうがよい。過激な運動は症状が悪化する恐れがあるため、軽い運動をオススメします。
アスリートでも腰痛がある人も多く、筋肉が発達していても大きな負荷がかかれば、腰を痛めてしまうこともあります。
腰痛にオススメのツボ
環跳(かんちょう)
お尻のやや外側で力を入れるとへこむ部分。
効果
股関節周りの血行を促進し、筋肉の疲労回復が期待できる。
押し方
両手で太ももの付け根をつかむようにして親指で押していく。息を吐きながら5秒押して息を吸いながら3秒で戻す。7~8回繰り返しましょう。効果の感じ方の目安は、押した際のズーンとした響き。
腰腿点(ようたいてん)
手の甲の人差し指と中指、小指と薬指の骨の分かれ目のそれぞれ中央部分。
効果
疲労性の腰痛やギックリ腰に効果的なツボ。
押し方
甲を包むように両手で持ち、両方の親指で8~10秒の目安で押す。
委中(いちゅう)
膝の裏でシワがよっている部分の中央部。
効果
「腰背委中に求む」という言葉があるほど有名なツボ。腰の痛みの緩和効果。
押し方
押し上げるようにマッサージ。1回20秒を3回ずつ交互に行う。
曲泉(きょくせん)
膝の内側のくぼみ
効果
下半身の重だるさをとる効果がある。
押し方
膝を軽く曲げ力を抜き、ツボに親指を当て、気持ちが良い強さで息を吐きながら、3分間ほど押していく。
まとめ
鍼灸の腰痛に対する効果はアメリカ内科学会が強く推奨するほど認められています。日本の鍼灸師は厳しい国家資格を突破した者のみが行える治療ですが、まだまだ日本では鍼灸治療が浸透仕切れていないのが実際の現状です。
鍼灸の根本的な考えに「未病を治す」という言葉があります。症状が出る前に未病の段階で防ぐことができたら、理想的なではないかと思います。
なかなか治らない腰痛でお困りの方、今回を機に一度、鍼灸院の門を叩いてみてはいかがでしょうか。